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elm200 の日記

旧ブログ「elm200 の日記(http://d.hatena.ne.jp/elm200)」

先進国の経済成長は終わったのか?

先進国経済の経済成長が終わりつつあるのか?という議論が最近多い。たとえば、

先進国の経済成長はもう終わったのか?経済学者の悲観論vs.不屈のネット陣営

Has the ideas machine broken down?

等々。

そこでデータを調べてみた。

日本・米国・ドイツについて、1960年から2010年まで、10年ごとに区切って 実質 GDP 成長率の平均を取ったものをグラフにしてみた。すると確かに見事に右肩下がりである。先進国で希望が萎んでいくのも仕方なく思える。

しかし反論もある。マンキューの「入門経済学」には次のグラフが掲載されている(原典では棒グラフ)。

これを見ると、1950年~1970年の成長率が際立っている。マンキュー先生自身のコメントは次の通り。

...生産性の減速は明らかである。1970年 を境に、成長率は 3.7 % から 2.2 %へと減速した(中略)この図は重要な教訓を示している。歴史的に比較してみると、変則的なのはむしろ1950年代と1960年代の急速な成長のほうである。おそらく、第2次世界大戦後の数十年間が異常に急速な技術進歩の時期だったのであり、1973年から成長が減速したのは、技術進歩がより正常な率に戻ったにすぎないのである。

「1950年~70年が特別だったんだ、いま経済のパフォーマンスが良くないからってあまり気を落とすなよ」とマンキュー先生は言っているわけだ。

これらの数字に対していろいろ妄想を膨らませることはできる。そもそも1950年以前の GDP 統計なんて本当に信頼できるか?という気もする。この点はマクロ経済学の専門家に聞いてみないとわからない。1950年から70年に起こったのは、自動車・家電(テレビ・エアコン・洗濯機)の大量普及であった。この時期に、人々は物理的苦役から解放され、生活水準の向上をしみじみと味わった。これは私たちが想像する以上に重大な技術革新だったのかもしれない。

現在、高度成長期にある新興国でも1950-70年の先進国と同じような自動車・家電の大量普及が起きている。こうした機械が人々の生産性を上げるとともに、需要を刺激して、高い成長率を維持させているのかもしれない。

いまの先進国における低成長は、逆に自動車・家電に相当するヒット商品がないからなのだろうか?私はこの点に関してはいろいろ思うところがあるので次回にて。

もっとも、あれこれいろいろと考えても、未来の経済の姿は正確には予測できないものらしい。マンキュー先生は次のようにぶっちゃけている。

技術進歩と経済成長は将来どうなるだろうか。歴史をみる限り、いかなる予言も確信できる理由はほとんどない。生産性の原則も加速も、それらが現実となる以前に予想した予測家はほとんどいなかった。

マンキュー入門経済学

マンキュー入門経済学