どこまでも爽やかな「TARI TARI」
評価 ★★★★☆(4/5)
舞台は江ノ島。高校三年生の女子3人、男子2人がいろんないきさつを経て、合唱部を作り、いろんな事件を経験していくという青春ストーリーだ。
キャラクターデザインは、SHIROBAKOでおなじみの関口可奈味さんで、とても爽やかな絵柄だ。キャラクター描写も優れていて、登場人物一人ひとりに感情移入できる。
現代のアニメらしく、合唱部(正確には、合唱ときどきバドミンドン部、だが)は、女性優位。3人の女性メンバーが残り2人の男の子たちを常にリードする。この3人の女の子が、田中という男の子をからかう姿が、すごくリアルな女子高生ぽかった。そうそう、よくアニメに出てくる「○○君」なんて呼ぶおとなしいお嬢様的な女の子なんて、リアルにはまずいないよね。そういう意味で、この作品の人物造型はかなりリアルというか実写寄りだった。というか、なんかアニメを見ているはずなのに、実写のドラマを見ている錯覚にとらわれるような、そんな作品。
合唱がテーマではあるのだが、実際それほど全面に出てきたわけではない感じかな。私からすると、この作品の音楽的側面はそれほど印象に残らなかった、というのが正直なところ。ちょっとこの作品について、そう言ってしまうのはどうかとも思うんだけど。
人物描写・背景美術は文句なしに美しく、爽やかだった。あえて難を言えば、ストーリー展開。学校が突然廃校になってしまうのは、日本の現行法からしてあり得ないので、ちょっとついて行けなかった。もうちょっと穏当な方法で、盛り上がりを作ることはできなかったのか。この点、★をマイナス1したけれども、こういう青春ドラマの王道を行くような作品を高く評価する人たちがいるだろうことは理解できる。
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