elm200 の日記

旧ブログ「elm200 の日記(http://d.hatena.ne.jp/elm200)」

会社に残ることにした(当面はお試し期間だが)

先日、会社を辞めるべきか否か - elm200 の日記というエントリーを上げて、自分の仕事をめぐる状況を告白した。その後、会社の人と話し合いを積み重ね、新しい可能性が見えてきたので、もう少しだけ、この会社で働いてみることにした。

とあるマネジャーが主導する新規プロダクトがあり、それをソフトウェアエンジニアとして一緒にやってみないか?というお誘いを受けたのだ。それは、ある業界に対するマーケティングツールで、すでに潜在顧客が実際の関心を示し始めていて、それなりに有望に思えた。

大昔、私はあるスタートアップに参画したことがあり、それはいろんな理由で結局うまくはいかなかった。新規事業はリスクの高いものであり、うまく行かないことのほうが多いのは確かだ。しかし、そこから多くの学びがあるし、チャレンジすること自体は、人類社会のためにとても大切なことだと思う。

私は所属企業が情報公開へ後ろ向きなことに失望しているが、この新規事業は他の会社とのジョイントベンチャーであり、所属企業の雰囲気を少し薄めることができるのではないか?とも思った。

ただ、当面は「お試し期間」になる。そこで会社または私が、難しいと判断すれば、私は会社を辞める可能性がある。

私は、人生のほとんどの期間をほぼ一人で生きてきた。子供時代は、いやいや学校組織に属していたが、社会人になって最初に入った会社(都市銀行)は半年で辞めてしまい、フリーターになった。その後、重層下請構造の最末端の零細企業でプログラマーとなり、そこから仕事をしたり辞めたりを繰り返して、45歳になった(6年前だ)。このときまでに、私の貯金は底をつき、真面目にフルタイムでソフトウェアエンジニアをする以外に食べる方法がなくなった。それでも最初はフリーランスのエンジニアだったが、のちにこの会社で正社員になった(3年前のことだ)。

正社員という働き方を3年もできているのは驚くべきことだ。ただ、私はずっと一人で生きてきたので、ある程度、かっちりした組織の中でどう振舞うべきかよくわからない。特に、ブログのような個人的活動を組織の一員という立場と調和させたらいいのかわからない。誰も、傷つけないように、批判されないように、と考えれば、一切何もしないというのが一番安全なのかもしれない(実際、そう考えて多くの人たちが沈黙するのだろう)。

ただ、それではまさに「社畜」ではないか?私は、いまたまたまこの所属企業に属して働いているけれども、それ以前に私は人類の一人であり、この人類社会に直接に所属している。だから、私は会社の一員としての立場より、人類の一人という立場を優先したい。もちろん、法令は順守する。職務上漏らしてはならない秘密は公開しない。だが、仕事の内容について全く何も話せなければ、同じく人々の重大な秘密を取り扱う医師や法律家という人たちも、彼らが扱うケースについて一言も話せないということになるだろう。具体的な事物との紐づけができない程度に抽象化して、一般論として共有することは人類の福祉にとって有益なのではないだろうか?

会社なり誰か他の人なりから怒られるまで、私は、極力、自分が考えたことを公開していくつもりだ。正直、私のような従業員が不都合なら、会社からはっきり引導を渡してほしいと思う。その際は、私はこの会社を離れて別の場所に行く。本当の自分を隠したまま本来自分を受け入れてくれない場所で働くより、本当の自分をさらして、なお自分を受け入れてくれる(むしろ歓迎してくれる)場所で働くほうがよい。この世界にはそういう場所が必ずあると信じている。