私は、このブログを通じて読者に幸せになってほしいと願っている。
日本経済の先行きは厳しく、日本全体をどうこうするのは難しい。だから個人レベルで生活を守らなければならないのだが、そのためには基本的には「なるべく稼ぎのよい仕事に就き、無理のない範囲で節約しながら、積極的に投資して資産形成する」というごくごく当たり前のことしか言えない。こんなことはいままでも多くの人たちが言い続けてきたことで何も特別なことではない。資産形成の方法も、「インデックス投資を中心にすべき」としか言えない。もちろん特定の資産クラスに特別な関心や知識があればそれでも良い。不動産やゴールド。技術や社会的意義についてしっかり学ぶつもりがあるなら、暗号資産(ビットコインなど)も良いかもしれない。ただ、インデックス投資以外は、投資する人と資産との相性があるので一概にこれとは勧めがたい。
私は、資産は「ライフサイクルのある資産」と「不老不死の資産」に分けられると思っている。例えば個別銘柄の株価は、企業のライフサイクルに従うので、永遠に価格が上昇するとは限らない。これが「ライフサイクルのある資産」だ。その一方でS&P500のようなインデックスに従う金融資産の場合、対象の銘柄が定期的に「より若い」ものに入れ替わっていくために、永遠に価格が上がり続ける可能性がある。「不老不死の資産」に当たる。
「不老不死の資産」の良いところは、出口戦略を考えずに済む点だ。普通、投資では、資産を購入し、しばらく保有した後、売却しその価格差を儲けとする(ここではいったんインカムゲインは無視する)。だから、多くの人たちは「いつ売却したらいいのか?」と頭を悩ますのだが、インデックスファンドのように、永遠に価格が上がり続けることが期待できる資産であれば、「必要な時に必要な分だけ売却する」とだけ考えておけばよい。つまり銀行預金のようなものと考えることができる。これで投資行為は「任意のタイミングで買って、ただ保有し続けるだけ」という極めてシンプルなものになる。
こうしたことはいまはインターネット上でいくらでも学べる。とくに YouTube 上に良質な動画がいくらでもある(ただどの動画が良質なのか判断することが難しいかもしれないが……)。再現性のある、ごくごく当たり前の手順であり、いったん理解してしまえば、どうということはない。私がわざわざ偉そうな講釈を垂れる必要などない。
ただ、こうした資産形成の大元になるタネ銭をどうやって作るかという点に関しては、個々人の稼得能力に大きく依存するので、その点に関しては私は何とも言えない。一人一人の背景によってどうやってお金を稼ぐのが一番良いのかは大きく変わってくる。立場によって比較的簡単に大金が稼げる場合もあれば、そうでないときもある。こうやれば必ずOKという万能の方法はないのではないか(もしそんな方法を知っている人がいれば教えてほしい)。
タネ銭を作る能力(この界隈では「入金力」とか言ったりする)によって、最終的な資産額は変わってきてしまうけれども、月々の数万円程度の投資でもそれなりの期間をかければ、それなりの資産(1000万円~2000万円)は形成できる。トライしてみる価値はあると思う。
資産形成はテクニカルな話題だ。テクニカルというのは、誰でも一定の手順を踏めば達成できるという意味だ。これ自体はとても大切な話ではあるが、地味な話題でもある。
それよりも私は、これから人間の労働がどうなっていくのか議論した方がいいのではないかと思うときがある。AIが普及するにつれて、大なり小なり人間の労働は代替されていく。人間にとってカネは重要だが、時間の方がもっと大切だ。これから数十年を生きる人たちにとっては、資産形成以上に大切なのは、労働から解放されて、それに費やしてきた時間を自由に使えるようになることかもしれない。
AIによる労働からの解放というテーマはかなり以前から議論されてきた。
この記事は2016年に書かれたもの。
この記事は2021年に書かれている。
この手の記事はいつも同じ構成だ。
- AIが人間の仕事を代替する
- 人間の所得が激減する
- ベーシックインカムが必要になる
1, 2 は誰でも容易に同意できるだろう。問題は3のベーシックインカムをどうやって実現するのか、という点だ。
政治的にとても難しそうだ。AIを保有している企業の収益に対して非常に高い税を課す必要がある。しかし、それが本当に実現可能だろうか。企業に対する法人税は国際的な協調がないとなかなか課税できない。税金の安いタックスヘイブンを利用して簡単に節税されてしまうからだ。
わからない。私にはこの部分の解像度が低すぎる。ベーシックインカムに至る具体的な道のりについて調べていこうと思う。